歯周病の症状
以下のような症状が見られる場合、歯周病の疑いがあります。
・歯磨きの時に歯肉から出血する。
・口臭が気になる。
・口の中がネバネバした感じがする。
・歯が動いて食べにくい。
歯周病の原因
歯周病は成人の8割〜9割が罹患していると言われているほどです。直接的な原因は、口の中の細菌が作り出す毒素で、それによる歯肉の炎症により歯を支える歯槽骨が吸収されていくことで起こります。また、その他歯周病を悪化させる原因としては、
・喫煙
・歯ぎしり
・糖尿病などの内科疾患
・バランスの崩れた咬合
などが考えられます。
歯周病の内科的治療
現在の歯周病の治療は、原因となる細菌を機械的に取り除くことが主となります。歯ブラシで歯の表面の細菌を掃除し、歯茎と歯の境目の歯周ポケット内の細菌を器具を使って取り除く、物理的な手段でした。そのため、全ての歯周病菌に対して一度に対処することは不可能だったため、重度の歯周病では改善のペースが遅く、抜歯が必要になることもあります。
歯周内科治療は、これまでとは異なったアプローチでの歯周病治療で、薬で歯周病の治療を行います。
特に歯周病を悪化させる原因菌
・カンジダ・アルビカンス(カビ)
カビはどんな人のお口の中にも、数の差があれど、常在しています。空気中を飛んでいますし、食べ物の中にも入っていますので全くない状態にすることは難しいです。口の中のカビは歯磨きをしていても磨きにくい部分に溜まり、そこで成長して歯肉に炎症を起こします。また、カビは成長するときに酸を出しますので知覚過敏の原因にもなります。
・スピロヘータ
本来これは口の中にいてはいけないもので、いわゆる悪玉菌です。腫れて深くなってしまった歯周ポケット内にのみ存在し、酸素のない状態で増えていきます。また、増殖するときに周りの悪玉菌を増えやすいように働くため、加速度的に状態を悪化させます。逆にこの菌がいないと歯周病菌は進行しないということになりますので、しっかり除菌することが大切です。
内科的歯周病治療の手順
- 口腔内の状態をチェックし、現在の歯周病の進行度合いの確認、記録した後、はじめに機械的にプラーク、歯石の除去を行います。
- 口腔内の清掃後、ポケット内、歯肉内の細菌を除去するため、内服薬を投薬します。この薬は、内科にて風邪などの時に普通に処方されている抗生剤ですので心配はありません。1日2回、3日間の内服で2週間程度の抗菌作用があります。
- 抗真菌剤での歯磨きを行い、口腔内のカビの除去を行います。1日3回、抗真菌剤を使用して歯磨きをしてもらいますが、抗真菌剤は胃腸での吸収はごくわずかですので、飲み込んでしまっても問題ありません。
- 以上の処置を行うことで腫れていた歯肉は改善してきます。それとともに、今まで隠れていた歯石が見えてきますので、歯石除去を再度行います。
- 歯肉の改善が見られれば、歯肉検査、状況のチェックを行い、定期検診に移ります。除菌後の良い状態を維持させるためにも定期的なクリーニングが必要になります。歯周病(歯槽膿漏)は感染症ですので、再感染を起こさないためにも、お口の中を隅々まで徹底的にクリーニングすることをおすすめします。